前からのネジ止めのみで利用できるスクリューオンホールド。
以前はボルトオンホールドの補助的役割で使用される事が多く、薄く小さいホールドばかりで、初心者でも持てるガバが少なかったりしました。
しかし、近年使用される様になった大きなボリューム(ボテ)などはむしろスクリューオンの方が多かったりします。
また、ボルトオンホールドを取り付けるために必要なナットを入れた壁を作るのはコストがかかりますので、プライベートウォールを設置したいという方には、簡単なスクリューオンホールドを利用したい、という方も多いのではないでしょうか。
GCHではクライミングをする事、クライミングウォールを作る事へのハードルを下げるべく、そのラインナップの拡充・販売に力を入れてい(き)ます。
スクリューオンホールドのデメリットについて
オウンリスクが原則のボルダリング・クライミングですが、安全なことに越したことはないですよね。なのでスクリューオンホールドのネガティブな部分もちゃんと考えなければいけません。
一つめ、これは問題点というほどの事ではありませんが、取り付けたり外したりしていると、壁にネジ穴の痕が残ります。
ただ、ネジを抜いた後に向こう側が見えるような穴が開くことはありません。合板の木繊維が収縮しますので穴は開きっぱなしにはならないんですね。
それに、これはボルトオンホールドでも避けられない事です。ボルトオンホールド固定時には回り止めのネジ止めが必要だからですね。ネジ穴の数が少ないだけです。
どうしても気になる方はパテ埋めすると良いと思います。穴埋め用のパテはホームセンターで売ってます。
二つめ、スクリューオンのホールド固定力は、どうしても固定力に関してはボルト止めホールドに劣ります。
ボルトオン止めホールドは合板の反対側にあるナットが対になっている訳ですが、このナットが抜けてくるという事は合板を破壊するという事であり、人力ではほとんどあり得ないからです。ただ使用しているナットによってはこれが破損してしまう事がありますので、絶対に抜けてこないとも言い切れないのですが。
ネジ穴を多く、最適な位置に
これらの心配を解消するために、GCHのスクリューオンホールドは以下の工夫をしています。
ネジ穴を多く
クライミングホールドはメーカー間で同じ形が無いので単純な比較ができないんですが、同じような大きさ、形状のホールドであればGCH製は確実にネジ穴が1つ分以上多いです(比べてみてくださいね)
GCHのホールドは実際にジムで使っていますが、抜けてきたことは一度もありません。
ネジ穴の位置を最適化
使用時に最もネジに力が掛かりやすい形状はガバです。何でかというと、指がよくかかるので手前に背筋を使って引っ張ることができる形状だからなんですね。
背筋は強い人だと200kgくらいあると思いますから、それに耐えなければなりません。ネジ穴はこの抜く様な力が掛かる部分に多めに配置する必要があります。
また、ネジ穴を一直線上に置かないという事も大事です。
ネジ穴が一直線上にあると、ホールドに力が掛かった時にその直線を軸として回転する様な動きが発生してしまいます。
この動きが繰り返されるとホールドが壁から浮いてきて、抜ける可能性が上がります。
なので、ネジ穴は一直線上にあってはいけないのです。
樹脂の特性も大事です
いろんなところに書いていますが、GCH製のクライミングホールドはポリウレタン樹脂製です(おもちゃホールドはバケツとか洗面器と同じポリエチレンとか使っています)
ポリウレタン樹脂といっても、ゴムみたいな柔らかいものから、めちゃくちゃ硬いものまで特性の違うものがあるんですが。
GCH製のホールドは、かなり密度が高くて、硬いものを使っています。力が掛かっても歪みづらく、圧縮強度も高いです。
これはホールドの固定時にも有利に働いています。
力が掛かってもその力がちゃんと各ネジに分散するんですね。
自分で登っていても、安心感が違います。
まとめ
上述の通り、スクリューオンホールドは、ネジ穴の位置、材質、形状など、奥が深いです。この記事をお読みいただくことで、GCHはちゃんと考えて作ってますよ、という事が伝わればいいな、と思います。