クライミングホールドの屋外への設置について

 屋内に比べると少ないですが、クライミングホールドを屋外に設置したいというご要求をいただく事があります。

 販売させていただく側として言えることは、”設置可能” という事ですが、代金をいただいて販売するからには根拠が無いといけません。しかしそうは言っても、プラスチックの劣化具合や機械的な特性の変化について、論理的に計算で求めるという事はかなり難しいと思います。
 というわけで、実際に試験をしています(^^

 店の看板に付けてあるホールドです(^^;
 約3年、毎日外で積雪、風雨や紫外線にさらされていますが、状況としては”全く問題ありません”
 ホールドが汚れているのは、元々ジムで使い古したものを付けたため。また白くなっている部分は、道路に看板を倒した時に付いた傷で、屋外に設置したからではありません。色を付けてあるので黄変については分かりにくいですが、触った感じベタついたり、ヒビが入っているとか、そういうことはないです。何ならジムでまた使えそうです。

クライミングホールドの屋外設置で起こりうる劣化とは

 GCH製のホールドの材料であるポリウレタンは、プラスチックの一種です。一種であるからには、このプラスチックの劣化から逃れることはできません。

 劣化の原因はいろいろありますが、屋外と屋内で違ってくるのは、紫外線量と水分、気温などと考えられます(酸素量は一緒?)これらの条件が屋外では屋内よりも厳しく、劣化が起こりやすいと言えます。
 ではこの劣化とは具体的にどんな状態になることをいうのでしょうか。 

白化

 屋外に放置された プラスチック製の玩具や日用品等が、白くなっているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。 それが、白化です。
 紫外線により分子レベルで変化しているので、見た目だけでなく、機械的にも脆くなります。
 ちなみに、おもちゃや日用品のプラスチックは ポリスチレン製が多いのですが、アマゾンや楽天で激安で売られているホールド(らしきもの)も、このポリスチレン製ですので、注意が必要です。このポリスチレン製のホールド(らしきもの)は、 製造工程の都合上、表面のザラザラ感にも問題があるのですが、それはまた別の機会に説明したいと思います。

黄変

 文字通り、プラスチックの表面が黄色くなることです。扇風機のリモコンが経年変化で黄ばんできていたり、車のヘッドライトカバーが黄色が買ってきているヤツですね。黄変は白化と比較するとその原因は多岐に渡るようです。経験則ですが、白化と比べると機械的特性の劣化は緩やかに思えます。

GCH製のクライミングホールドは、屋外に設置できます

 プラスチックに限らず、木でも金属でも物質は全て劣化しますよね。何十年も放置してOKとは言いませんが、冒頭の実験の通り、GCH製のクライミングホールドは屋外でも使えます。

 耐用年数を増やすには、直射日光が当たる時間が短い面に付ける、雨にさらされたり、多湿になる場所を避ける(風通しの良い場所に付ける)と良いと思います。

 とは言っても、ホールドの劣化は屋内より早く進みますし、ホールドではなく取り付ける側の木が劣化してきたり、ネジ、ボルトが錆びたりもしてきます。クライミングホールドを屋外に設置する際には、その辺りにも気を付けて使用していただきたいと思います。

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