クライミングウォール・パネルの材質として無垢材はお勧めいたしません

最近、
他社が販売しているクライミング用パネルにホールドを設置したいのですが、取り付け可能ですか?
という質問をお受けします。

結論から申し上げますと、
可能です。
(ほとんどのパネルにはM10サイズのナットが設置されています。それ以外は見た事が無いですね)

ただ、そのクライミング用パネルに問題がある事も多いです。
クライミングをやらない方が作っているとしか考えられません…。

ダメなポイントを以下に挙げますので、クライミング用パネル購入の参考にしてください。

裏に空間が無い、少ない

別の記事でも書いていますが、クライミング用パネルを既存の壁に隙間なく設置できる事をウリにしている商品が結構あります。

これはメリットよりもデメリットが大きいです。
(理由は別の記事で書いています)

クライミング用のパネルの奥に空間が無いのは、ボルダリングジムの壁の構造とは違うわけですが、
これにジムで使っているものと同じものを取り付けようとしているのですね。
無理が出るのは当然です。

ジムのクライミングウォールの裏には、人が入れるくらいの空間があります。
プライベートウォールを作る場合はそこまでとは言いませんが、20mm、30mmでいいので隙間を開けてください。

材質が無垢

クライミング用パネルの材質として無垢はかなりNGに近いです。

理由のひとつ目としては、
節があるので、ビスが効かない部分があり、乾燥が進むと抜けたりもします。また、力をかけたり、ビスを打ったところから割れることがあります。

またこれは重要なのですが、
初心者程、力の入る”ガバ”という形状を多く使います。

これは手前に引っ張れるのでテコの作用が働きやすく、体重もかかりやすく、壁に負担が大きい形状です。
そして、パネルの裏からは爪付きのナットが刺さっていて、これにもグリグリと力が加わっているわけです。
木質繊維の密度にムラがあり、割れやすい無垢材にとって良くないのは想像できますよね?

理由の二つめは、
無垢材は乾燥による寸法の変化が大きい、という事です。

ボルトとナットで挟んで固定されているクライミングホールドは、少しでも板厚が薄くなると回りやすくなります。

おたくのクライミングホールドにはビス穴があるじゃないか、
とおっしゃっていただくお客様も多く、実際にゴライアス製のクライミングホールドは他社と比べて回り止めのビス穴も多いです。

ただ、XSサイズの小さいもの等は物理的にビス穴が開けられないものもあります。

合板は、方向の違う木質繊維が何層にもなっているものですので、こういった事は起きません

その他にも…

上記の様な商品には、ナット穴の配置がありえないものだったりするものも多いです(そんな近い配置あり得ないでしょ!っていうのがあります)

クライマー目線では全くありえないクライミング用パネルが、
大手ECサイトでは不通に販売されています。
ご注意していただければと思います。

上記の様なデメリットを説明もせず販売するのは、かなり無責任な行為ではないでしょうか。
安全であることが大前提。その上に楽しさがあると思っています。

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